熱海 東山荘で「観月会」 一般初公開を記念して
明主様の熱海でのご神業の拠点となり、国の登録有形文化財に登録されている東山荘で9月10日に「観月会」が開催。東山荘の一般初公開を記念して催され、熱海市民ら約60人が訪れた。
当日は晴天に恵まれ、相模灘を見渡す庭にススキなどのいけ花と月見団子が供えられ、しの笛奏者の小林かず子さんが厳かに笛を奏でる中、水平線の向こうから美しい中秋の名月が浮かび上がると、会場のそこかしこから感嘆の声が漏れた。
東山荘本館の見学も行われ、参加者はガイドの案内のもと昭和初期の建築美をじっくりと見て回った。
「笛の音と一緒に月が姿を見せる様子は、息をのむほど美しい瞬間でした。駅前のにぎわいを離れて、静かで落ち着いた場所でお月見ができて幸せです」「東山荘本館は見晴らしも良く開放的で、和の建築の素晴らしさを再確認しました。今後も公開の機会を設けていただき、熱海の見どころの一つになってほしいです」などの感想が聞かれた。
この催しは、地域の有志からなる東山荘保存会が主催し、隣接する国重要文化財・旧日向家熱海別邸を生かそうと活動する熱海ブルーノ・タウト連盟が協賛したもの。東山荘は、今後定期的に公開される予定で、その準備が進められている。
【熱海での拠点とされた東山荘】
東山荘は、1933年、第一銀行頭取の石井健吾氏の別邸として建築され、44年に明主様がご購入。地名の東山(現春日町)にちなみ東山荘と命名され、瑞雲郷を建設する足がかりとなった。
創建当時のまま現存する本館をはじめ、別館や茶室、明主様が蒐集された美術品を保管した蔵、相模灘を借景とした庭園などがある。2016年に国の登録有形文化財に登録された。