「神仙郷」の名勝指定についてのお知らせ
昨年秋、明主様が造営された箱根の「神仙郷」が、文化審議会より国指定の「名勝」として答申されましたが、令和3年3月26日付の政府機関紙「官報」に文部科学省告示として掲載され、正式に「名勝」に指定されましたのでお知らせいたします。
神仙郷は、戦争末期から戦後にかけての極めて困難な時期に、明主様のご理想に感銘し、全国各地から手弁当で馳せ参じた人たちの誠の奉仕によって、昭和28年6月15日に完成したものです。
明主様は、荒廃し、混迷する社会にあって自信と希望を失った人々に、自然の山水美と人工的庭園美とを調和させた「一個の芸術品」としての庭を造営し、その上、箱根美術館を建設して、それらを一つのものとして楽しむことができる「真のパラダイス」を提供したいと願われていました。
また、日本人が芸術に対する高い審美眼、優れた技能を有していることを世界に知らせることが、国策上の一役を担うものであると願われ、日本独特の建築美を誇る数寄屋建築による茶室「山月庵」も設けられました。
なお、神仙郷の芸術上、鑑賞上、学術上の価値の調査・研究を行うなど多大な尽力をいただいた委員会(委員長・龍居竹之介日本庭園協会名誉会長)の調査報告書では、その価値を「景観構成上及び日本庭園史上、独特かつ固有の特質を示し、近代の他の類例庭園には見られない稀有の存在である」と評されています。
私どもは、このたびの慶事を機に、「世界の宝」である神仙郷と、そこに込められた明主様のみ心を拡大する営みを、皆さまと共により一層強く歩ませていただきたいと存じます。
神仙郷の詳細につきましてはこちらをご覧ください。
※ 名勝とは
「文化財保護法」では、「庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他名勝地で我が国にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの」のうち、重要なものとされています。すぐれた国土美の有様を様々なかたちで表現する名勝は、風致景観の観賞を通じてその価値を発揮する記念物です。主として人間の作意と技術によって造られた人文的なものと、主として天然の営為や素材によって生じてきた自然的なものに大別されます。
著名な風致景観に名所を見いだし、また、名所のすぐれた風致景観に価値を見いだす名勝の特徴は、史跡と天然記念物とに重複して指定されることが多いことにもうかがうことができます。
日本に暮らす人々がそれぞれの土地に紡いできた思いを、名所や風景、庭園に継いでいくのが名勝です。(文化庁ホームページより)