聖地・地上天国のひな型とゆかりの地

聖地・地上天国のひな型について
SACRED GROUNDS AND THE PROTOTYPES OF PARADISE ON EARTH

聖地について

明主様は、人々の救いを進められる一方で、幸福者が集まる理想世界を、眼に見える形で示した「聖地」として建設を進められると共に、それを世界に拡大しようとされました。

そして『神意は地上天国建設の第一歩として、その模型を造られるということがあまりに明らかである。しかしながら、模型ばかりではない、人間、個人が天国人とならなければならない』と説かれ、個人や家庭を世界のひな型として捉えました。

また『世界が天国になることは、まず世界を構成している、単位を考えれば判るのであります。それは結局人間であります。世界は人間の集合体で国ができ、国は市町村から成り、市町村は家から成り、家は個人から成っています。ですから単位たる個人が救われねば、世界は救われるはずはないのであります』とも説かれています。

つまり、個人や家庭が救われると、それが広がって社会、世界が救われていくと説いておられるのです。同時に世界が救われることによって、それが個人の救いにも反映される、まさに双方向で救いが進められるということです。

聖地には、四季折々の自然の美と、美術館、美術品などの人工の美に触れることによって、人間の心を癒やし、魂を向上させたいとの願いが込められています。

美による救いを聖地から発信すると共に、実際の日常にあって芸術即生活を推進するひな型としたいとの思いがあるのです。

明主様は『疲れたる世人静かに憩わせむ天国の型吾は造りて』とお詠みになり、まさに「魂の聖地」「地上天国のひな型」として、箱根・熱海・京都の景勝の地を選び建設を進められました。

その構想は『内外の特長を調和したパラダイス、山水の美を取り入れた大庭園、美術の殿堂、宗教的型破りの建築物等』と示されています。

聖地ご紹介
SACRED GROUNDS

箱根・神仙郷

箱根・神仙郷

昭和19年、箱根への移転を機に、強羅にある旧日本公園の土地を入手し、神仙郷しんせんきょうの建設に着手。明主様自ら庭園の造成や建築の指揮を執り、戦後の混乱期にも関わらず多くの信徒の建設奉仕によって、同28年に完成されました。

神仙郷は、国の登録有形文化財に指定されている「神山荘」、柿葺き数寄屋造りの「観山亭」、大自然の岩を組み合わせた「石楽園」、紅葉と苔のコントラストが映える苔庭、当時の数寄屋建築の第一人者、吉田五十八氏の設計による演芸を主目的とした「日光殿」、明主様のご指示のもと茶室づくりの名匠・木村清兵衛氏が手掛けた茶室「山月庵」、明主様自らの設計による「箱根美術館」などから成り立っています。

その芸術性から平成25年8月に国登録記念物(名勝地関係)に登録され、令和3年3月には「景観構成上及び日本庭園史上、独特かつ固有の特質を示し、近代の他の類例庭園には見られない稀有の存在である」との評価を受け、国の名勝に指定されました。

その本質的価値について「神仙郷保護のための調査研究報告」は「岡田茂吉が、箱根強羅の自然環境の特質を巧みに生かしつつ、平和希求の精神の下に『地上天国のひな型(模型)』を表す理想郷として作庭した庭園であり、他に類を見ない独特かつ秀逸な意匠・構成を持つ」「美術館に蒐集した美術作品とともに日本の美と文化の総合的な発信・享受の場として作庭した事例でもあり、日本の近代庭園史上における固有の特質を示す」と評しています。

熱海・瑞雲郷

熱海・瑞雲郷

明主様は、熱海の高台に位置し、初島、大島の浮かぶ相模灘、伊豆半島、遠くは房総半島まで見渡せる絶景の地を選び、昭和21年、瑞雲郷ずいうんきょう(約75,000坪)の建設に着手されました。

箱根と同様に地上天国のひな型として世界中の人々を楽しませたいとの願いをもって行なわれたこの建設も、多くの信徒が奉仕に励みました。

瑞雲郷には、劇場など多目的な使用を意図して建設されたコルビュジエ様式の「救世会館」、白亜の半円形でパノラマの景観を楽しむことができる明主様設計の展望台「水晶殿」、水晶殿前の斜面には、丸みを帯びた築山につつじ約3,600株を植えた「つつじ山」、その下方には尾形光琳の紅白梅図屏風の世界を表し、約360本の梅の古木をあしらった「梅園」があります。

瑞雲郷高台には、明主様が蒐集された国宝3点、重要文化財67点を含む美術品約3,500点を所蔵、展観するMOA美術館があり、多くの人が美に親しむひとときを楽しんでいます。

京都・平安郷

京都・平安郷

明主様は、昭和26年の関西巡教の折、京都に、箱根、熱海と並ぶ聖地を建設する構想を抱き、翌27年、京都嵯峨野の広沢の池に隣接する土地(約15,000坪)と建物を入手され、この地を「平安郷へいあんきょう」、敷地内の純日本風建築の建物を「春秋庵」と名付けられました。この春秋庵を、関西へのご巡教、巡礼の際の住まいとされると共に、信徒との面会の場にされるなど、拠点として活用されました。

歴史的風土保存特別地区に位置する平安郷は、平安時代の面影を残した落ち着いたたたずまいを見せ、雅び豊かな京都の地にふさわしい緩やかな曲線美を生かした庭園には、春秋の花木や山野草が植えられ、2本の小川が緩やかに敷地内を巡っています。

ゆかりの地
PLACES ASSOCIATED WITH MEISHU-SAMA

ご生誕地

ご生誕地

明主様のご生誕地は、現在の東京都台東区橋場町です。

明治15年12月23日、この地に古道具商を営む岡田喜三郎(父)、登里(母)の次男として生まれ、6歳まで生活されました。

この地を昭和47年6月に世界救世教が入手、同年12月に「東方之光」(明主様直筆)碑を建立しました。

この碑には、立教に際し、救世済民の心を託した詩「神は光にして光のあるところ平和と幸福と歓喜あり無明暗黒には闘争と欠乏と病あり光と栄えを欲する者は来れ」が刻まれています。

天啓聖蹟

天啓聖蹟

昭和6年6月15日、明主様は神示により数十人の弟子を従え、千葉県安房郡鋸南町の鋸山に登り、黎明の東天に向かって祝詞を奏上、この日を境に霊界が不幸の多い夜から、幸福に満ちた昼に転換するとの啓示を受けられました。

同時にこの時、病貧争のない新しい文明を創造していく自身の使命をより強く、深く自覚されました。

この、神秘かつ意義深い神事を永久に顕彰するために、世界救世教は同40年6月13日、この地に「天啓聖蹟」碑を建立しました。

富士見亭

富士見亭

昭和10年、明主様は東京麹町の仮本部にて立教を宣しましたが、同年10月、世田谷区上野毛に約3,000余坪の邸宅を入手、移転しました。この地を「玉川郷」と命名し、以後ここを中心に神業を展開されました。

同11年10月、広大な敷地の南西寄りの富士を望見できる場所に家屋を建て「富士見亭」と命名し、以後、同19年4月までこの家で起居し、ご神体や「おひかり」などの揮毫きごう、幹部や弟子の指導にあたられました。明主様が立教後、初めて手掛けられた建物です。

同30年、「玉川郷」にあった富士見亭は解体され、設計図と共に保存。同49年に箱根・神仙郷内に復元されました。

東山荘

東山荘

昭和19年、明主様は静岡県熱海市東山にある実業家の別荘を購入され、地名に由来して「東山荘」と名付けられました。同23年までの4年間、主に秋から春にかけての住まいとされ、本館は生活の場、別館は信徒とのご面会、また「おひかり」やご神体などの揮毫きごう、み教えの執筆などに用いられました。

この東山荘において明主様は「今に、この向こうの山に、何千人も収容できる建物を造る」とご構想を語られており、同20年からは土地の入手を開始され、熱海・瑞雲郷の建設に着手されています。

東山荘の本館や別館、また明主様が手掛けられた美術品を収蔵する蔵など7つの建造物は平成28年8月、昭和初期から今日までの歴史をはらんだ近代和風の別荘建築として貴重であると評価され、国の登録有形文化財(建造物)に指定されています。

咲見町仮本部

咲見町仮本部

熱海瑞雲郷に救世会館が完成するまでの間の仮本部として、昭和25年12月23日からご面会の場として使用されると共に、奉納芸能や映画を信徒と共に楽しまれる場でもありました。

現在も各種行事に使用されています。

碧雲荘

碧雲荘

明主様が、最も多忙を極めた時期であり、最も多面的なご経綸が実現していった時代の住居が熱海市内の「碧雲荘」です。

教団幹部との面接、み教えの口述、ご神体や「おひかり」のご揮毫などを行われたのをはじめ、ここから咲見町仮本部での信者との面会や瑞雲郷建設工事の視察に出向かれました。そのご生涯の最後の数年を過ごされ、そして昇天された場所となったという点でも、大きな意義を持つ施設です。

瑞泉郷

瑞泉郷

昭和24年、明主様は瑞雲郷建設を進められる傍ら、同じ熱海市内の丘陵地帯の土地を購入され、「瑞泉郷ずいせんきょう」の建設構想を発表されました。三大事業を有機的に事業展開して、戦後間もない日本の悩みであったインフレによる生活苦や食糧難、また結核といった医療問題の解決を企図したもので、虚弱者や病後の要静養者のための療養所はじめ、果樹園や花卉かき栽培、養鶏や酪農といった牧場の建設を計画されました。

明主様は、折々に瑞泉郷構想について触れられ、理論ではなく生きた行動によって直接的に社会問題を解決する必要性をみ教えくださり、ご昇天前まで視察に足を運ばれました。

土地問題などによりその建設は進みませんでしたが、伊豆の国市で実現し、大仁瑞泉郷として各種事業が展開されています。

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